オス犬の去勢はかわいそうな行為なのか?【永遠のテーマにいち獣医師として意見します】

今までこのブログでも、多くの記事で去勢のメリットとデメリットを伝えてきました。

ここに書いてある記事は、実際に臨床現場で日々、飼い主様と接している獣医師の経験則や個人的な意見が多く含まれているので、普通のネットの記事とは少し違う表現も含まれているかもしれません。

今回は、よく「去勢はかわいそうだ」という意見を耳にするので、実際にかわいそうなのかどうなのか、いち獣医師としてできるだけ客観的な意見をご紹介したいと思います。

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獣医医療として考えた場合

獣医師としての意見としていえば、去勢手術をかわいそうな行為だと考える獣医師はかなり稀だと思います。

当然の話ですが、臨床現場にいる獣医師の動物と接する時間は、動物病院の中での時間で多く占められます。

動物病院に来院する動物は、病気の動物が圧倒的に多いので、結果として獣医師が接する動物は、病気をもった動物であることが、一般的な人たちに比べ極めて多くなります。

獣医師の感覚としては、そういった病気になってしまった動物と比べると、去勢をする行為はまだ「軽いこと」だと、どうしても思ってしまいがちです。

特に去勢手術をすることで予防できる病気は割と頻繁に発生するので、そういった病気でかわいそうな思いをしている犬や飼い主様を見ていると、去勢手術は長い犬の人生の中で一瞬の出来事なので、かわいそうな行為だとは決して思わないのが私たち獣医師の考えです。

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また、獣医師を職業として行っているので、定期的な利益が得られる行為をかわいそうな行為だとは思うことはまずありません。(もちろん去勢をすることが完全なる悪であれば別の話ですが・・・。)

飼い主様の立場から考えた場合

去勢手術を勧められる飼い主様の多くは、「病気の予防になります」「しつけがしやすくなります」などと言われて勧められていると思います。

去勢をしようかなと考え始めるほとんどの飼い主様は、「去勢をしなかったがゆえに病気になった犬」や「一緒に暮らすことができないほど問題行動がある犬」を実際に現在において飼っているわけではないので、獣医師が去勢を勧める理由を完全に理解することは不可能だと思います。

結果として、現在差し迫った未去勢あることのリスクがないために、可愛い愛犬を動物病院にわざわざ預けて、麻酔をかけメスを入れる行為が、かわいそうでないわけがないと感じるのが通常の人間の感覚だと思います。

ネットで見かける多くの去勢のデメリットについては、科学的な根拠が「今のところ」ないので、それを信じる信じないのは人それぞれだと思いますので割愛します。

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去勢がかわいそうかどうなのかを飼い主目線で考えるのであれば、その理由の大半は感情論であり、それは普通の人間の感覚なのかなと個人的には思います。

当の犬本人の気持ちを考えた場合

正直、犬本人が去勢手術について考えがあるとは思えませんが、飼い主様と離れた環境で過ごすうえ、何かひどく嫌なことをさせられたという感情は残るため、去勢されてよかったと思うことは決してないでしょう。

去勢後病院嫌いになったという飼い主様が多くいらっしゃいますが、去勢手術以外の手術を行っても、病院嫌いになるのではないかと思います。

まとめ

自分が考えるに、物事は色々な側面があるのが当然だと思います。

結論から言えば、去勢手術がかわいそうでできないというのであれば、やらなくてもいいと思います。

もし去勢をしなかったがゆえに出てくる不具合が出てきたのであれば、それを医療的な側面からサポートするのが獣医師の役目だと思うからです。

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去勢のブログを作ってはいますが、それは絶対にやりましょうというものではなく、読んでいただいた皆様に、正しい知識を知ってもらい(100%正しいものはないのですが)、我々獣医師の意見を聞いていただき、よりよい判断を飼い主様にしていただきたいからです。

ですので、人の意見に完全に流されることなく、色々な意見をもとに答えを出していただければと思います。

大切な家族なのですから。