メス犬を飼えば、何かと気になるのが避妊手術の話題。
いつやるのがいいのか、色々調べていると結局どうなの?って感じになるのではないでしょうか?
このブログを書いている獣医師は今日も実際に診察を行っている獣医師。
ということで、実際に飼い主様が避妊手術を受けようとするタイミングはいつなのか、実体験をご紹介したいと思います。
1回目の生理前
1回目の生理前に行う飼い主様は結構多く、全体の2~3割ぐらいでは?と思います。
1回目の生理前に避妊手術を行えば、乳腺腫瘍は100%近く予防できるという医学的な根拠をもとに手術を希望する方もいれば、ただただ生後半年と言われている一般的なタイミングがたまたま生理前だったと言う方もいます。
いずれにしても、このタイミングで手術をご希望される方は、メス犬は避妊手術をしたほうがいいと強く思ってらっしゃる方がほとんどです。
1回目の生理後から2回目の生理まで
獣医師の中には1回目の生理が終わってからのほうが避妊手術を行ったほうがいいという獣医師もいまが、多くはありません。
その一方で、わりと多くのブリーダーもそのように考えていると思います。
1回目の生理前では成長がしっかり終わっていないからというのがその理由です。
ですので、この時期の飼い主様の理由としては、獣医師というよりはブリーダーさんに言われたからと言われる方も多くいらっしゃいます。
個人的にはその個体に合わせればいい話かなと思うので、生後半年あたりで健康診断もかねて病院で相談されるといいと思います。
1歳から5歳
この時期に避妊手術をご希望される方は、なんとなくタイミングを逃してと言う方が圧倒的に多いと思います。
特に避妊をしていないから起こるような病気になったというわけではなく、獣医師に勧められてなんとなくとか、歯石除去をしたいので、そのついでにというパターンがほとんどです。
まだ若い個体なので、全身麻酔に対してのリスクはそれほど高くはありませんが、残念ながら乳腺腫瘍を予防するという点では、あまり効果的ではありません。
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5歳から8歳
この年齢で行う方は、避妊手術を単独で考えている方は多くはなく、全身麻酔をかけざる得ない何かの理由があって、同時に避妊手術を行う方が多いと思います。
よくあるのが、乳腺腫瘍ができてしまい、大きさは大きくはないのですが、手術で取ろうという場合。
こういった手術で避妊手術を同時に行うケースが多いと思います。
8歳から12歳
5歳から8歳の時と同様なのですが、避妊と合わせて行う必要のある手術がより深刻であるケースが多いと思います。
乳腺腫瘍も大きさがどんどん大きくなっていく、子宮蓄膿症を患った、膣に大きなポリープができてしまったなど、そのままにしておくと命の危機があるとか、日常生活に支障をきたすなどの疾患にかかった時に、それらの手術と同時に避妊手術を行うケースがほとんどです。
12歳以降
単なる避妊手術とはいえ、それだけでも手術のリスクはそこそこあります。
そんな中でも手術をご希望される飼い主様はもちろん避妊手術をご希望されるわけではありません。
大抵は乳腺腫瘍が自壊した場合、もしくは子宮蓄膿症を患っている場合、この2つのどちらかです。
手術をするしないで悩まれるケースが多くあり、非常に難しい選択を常に求められます。
まとめ
話をまとめると、若い時は避妊そのものが目的、年をとってくるとほかの手術のついでに避妊手術を行う飼い主様が多いと思います。
ただ、若い時に避妊手術をしておけば、年をとったときに避妊を悩んでする必要もないので、個人的には2,3歳までには避妊手術は終わらしておいたほうがいいと思います。