一大決心をして、避妊手術を計画して、やっとのことで退院・・・と思ったら、「ちょっとこれ想像していたことと違う・・」
こんな問い合わせが動物病院にはよくあります。
私達としても、術前にしっかりとご説明はするのですが、やはりそこは動物相手。残念ながら、説明してもしきれないことが存在します。
今回はそんな、飼い主様から術後によくうけるご質問をいくつかご紹介します。
思っていたより痛がる
術創の大きさは小型犬であれば約1.5cmぐらい、大型犬でも3~4cm程度のものです。
もちろん皮膚だけでなく、腹筋も切開していますので、動いたりすれば決して痛くないことはないとは思いますが、見た目ではほとんど痛がることはありません。
ただ、小型犬でナイーブな性格の仔、それと柴犬はかなり痛みに対してデリケートですので、術後に痛がって歩かなくなってしまうこともあります。
避妊手術で、術後に痛い止めを使用するケースはあまりないのですが、1日過ぎても痛がるようなそぶりがあるのであれば、執刀した獣医師と相談されてもいいとは思います。
滅多にはないことですが・・・。
思っていたより傷口をとにかく気にする
「とにかく舐めて舐めて仕方がない」
大抵、縫合した糸が皮膚を釣ってしまっているのだと思われます。
こんなケースには、物理的に舐めないようにするしかありません。パラボラアンテナのようなエリザベスカラーというものを装着します。
ただし、エリザベスカラーをつけると、とてもストレスになって動かなくなるとか、エリザベスカラーを外そうとして暴れてしまうとか、場合によってはエリザベスカラーの端で器用に傷口を掻く仔もいます。
そのような場合は、腹帯という腹巻のようなものをして傷口を舐めさせないようにします。
抜糸まではせいぜい1週間ですので、なんとかだましだまし過ごさせてあげてください。
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退院後に食欲がない
人間でも入院して、手術を行ったら大抵食欲も落ちるものです。
ただ、待っていればおのずと回復していきます。
特に処方箋はなくても問題ないと思います(なにかしら手術で特記事項があったのならば別ですが・・。)
とりあえず、落ち着いて待ちましょう。
退院後に排泄をしない
たいていの場合、手術前後で絶飲絶食の状態が続いていますので、特に排便を退院後数日はしないこともざらにあります。
痛みでできないというよりは、生活のリズムが崩れてしなくなるといった表現のほうが正しいと思います。
まれに下痢をする仔もいますので、そういった場合は整腸剤などの投薬が必要なケースもあります。
そういった場合には、動物病院にお問い合わせください。
退院後に散歩に行かなくなった
疲れ、ストレス、ちょっと気分がのらないなど、色々な理由があるとは思いますが、大体のケースでは2,3日ぐらいするとだんだんと普段の活動性に戻り、散歩にも行くようになるとは思います。
動物病院によっては抜糸するまで散歩は控えるような指示が出るケースもありますので、執刀した獣医師の指示に従っていただければと思います。
人間不信になった
この場合は、本当にごめんなさいと言うしかありません。
獣医師の意見としては、できるだけストレスをかけないようにお預かりさせていただくのですが・・・。
退院後、動物病院に連れいていくのが困難になるほど抵抗をするようになる犬もいます。
飼い主様の温かい愛情で、何とか頑張っていただきたいと思います。
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まとめ
術後に出てくる不具合は、基本的には時間が解決してくれるものばかりです。
あまり心配しすぎることなく、術後の経過を見ていただければと思います。