去勢手術を行っていないオス犬は、オス特有の生理的行動を起こします。
マーキングやマウンティングは割とよくある行動ですが、そういった生理的な行動が激しいオス犬では、時に自分の陰茎を布団やクッションにこすりすぎて出血を伴うケースもあります。
陰茎は体の器官の中でも出血のしやすい場所であり、一度出血するとなかなか止まりません。
物理的に摩擦によって出血する場合もあれば、こすれて炎症を起こした陰茎を執拗に噛んで出血させる場合もあります。
後者の場合は陰茎の損傷が重大なこともあり、より慎重な対応が必要となります。
今回は地味に厄介な問題行動、陰茎の出血に対する対処法をご説明します。
エリザベスカラーをする
陰茎をかんでいる場合にはエリザベスカラーといって、首周りにパラボラアンテナのようなものをまき、口が陰茎に届かないようにします。
根本的な解決にはならないのですが、とりあえずの状況の悪化は防ぐことはできます。
ただし、エリザベスカラーの大きさが十分でない場合は、そのヘリで逆に陰茎を痛めてしまう場合もあり、大きさの選択は重要です。
マナーベルトをする
陰茎周りに腹巻のようなベルトを回すのも一つの方法です。
こういったものを装着するのを許容しない犬の場合は、エリザベスカラーを併用する必要があります。
装着時間が長いと陰茎が蒸れてしまうため、余計に不衛生になり炎症が広がるため、1日に数回の交換をして衛生的にしておく必要がります。
去勢手術を行う
マウンティングの行為そのものを防ぐためであれば、去勢は不可欠です。
ただ遅い時期に去勢をおこなっても、なかなかマウンティングは治まらないことも多くあります。
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また効果があるとしても、しつけとセットで行う必要もあるので、上記のようなことを併用しながら、長期間の観察が必要となってきます。
ただし、去勢手術をせずにしつけることは不可能ですので、マウンティング行為そのものをやめさせたい場合は、去勢が必須となります。
最悪の場合は?
陰茎をかんでしまい症状が進んでしまった場合は、陰茎の先端や中ほどが挫滅してしまい、再生が不可能となるケースもあります。
こういった場合は陰茎を切除する手術を行う必要が出てきます。
陰茎を切除しても、排尿などには問題はないのですが、手術そのものの負担は去勢手術などに比べると非常に大きいため、できるだけ避けたいところだと思います。
まとめ
対応法をいくつかあげさせていただきましたが、正直な話、一度出血しだした陰茎に対し有効な手立てはあまりありません。
陰茎をまめに洗って予防するという手もありますが、マウンティング自体を防いでくれるわけではありません。
適切な時期に去勢さえ行っておけば、こういった症状は皆無になりますので、そういった意味でも去勢手術は色々な不具合を抑えるために必要なことであると思います。