麻酔をかけるということはオス猫でもメス猫でも同じなのですが、
麻酔時間や麻酔方法、さらに大切なこととして、手術内容が大きく異なります。
それがどういうことなのかと言いますと、
上記いずれに対してもオスよりもメスの方が猫ちゃんに手術の負担がかかるのです。
しかし、猫の一生を安定した体調で過ごさせるには手術をしたほうが良く、手術しないともっと猫ちゃんへの体の負担になる可能性が高くなります。
そのため、しっかりとした術前検査を受けさせて、できる限り手術のリスクを減らす努力をすべきだと思います。
それでは、どんな検査が必要なのでしょうか?
診察での一般身体検査
以外と飼い主さんは重要視していないのかもしれませんが、
獣医師にとっては手術を行う前の身体検査というのを非常に重要だと考えています。
なので、見てもいないのに避妊手術の電話予約だけ入れられる、というのが一番不安なのです。
体重、体温、呼吸数や心拍数から、体格など外貌の状態、聴診、触診。
どれも猫ちゃんから本当に大切な情報をもらえます。
もしも、非常に痩せていて年齢に見合った適正な体格に達していなかったら。
もしも、聴診で心雑音が聴こえたら。
もしも、呼吸の仕方が不自然だったら。
こういったことは獣医師からの目線でみるとすぐにおかしいと気づきます。
なので、手術を受けさせる前には予約を取る前に病院で身体検査を受けさせてあげてくださいね。
血液検査
血液検査に関しては、皆さんが思う「術前検査」のことになりますよね。
なので、特に深く説明することはありません。
病院によっても血液検査項目に多少の内容の差がありますから、できるだけ獣医師が必要だとする内容で同意されることが良いでしょう。
大事なことは、ここでお金をケチらないこと。
「血液検査?そんなの必要なんですか?」ということだけはできるだけ考えないほうが良いと思います。
そのかわり、「その検査で何を評価したいのか?」を聞くことは大切だと思います。
レントゲン検査(特に胸腹部)
レントゲン検査も病院によっては省かれるかもしれない検査内容になります。
しかしながら、胸部や腹部のレントゲン撮影というのは心肺機能を評価するにあたって非常に重要な検査項目になります。
血液検査は体の代謝機能を評価するものに対し、胸腹部のレントゲン検査は心肺機能を評価するものなのです。
例として、若いうちだと心臓や肺、横隔膜などに先天性の異常が見られることが稀にあります。
麻酔をかけてから異常に気がつくのでは手遅れな場合もありますから、レントゲン検査で確認しておけばまず問題ないと判断できるでしょう。
まとめ
少し難しい内容もあったかもしれませんが、獣医師目線で検査の必要性についてお話しさせていただきました。
もちろん料金も飼う側としては大切なところですから、どの検査をどの程度まで行うかは獣医さんとよく相談して決めてください。
もちろんたくさん行うことに損はありません。
猫ちゃんの1度きりの手術を成功で終えるために、より良い検査をしてあげてください。