去勢手術で不安な点を飼い主にたずねると、手術や麻酔のことは勿論ですが、家に帰ってからの様子を心配される方がやはり多くいらっしゃいます。
確かに手術後の犬にどのように接すれば良いのでしょうか?
実際にはそれ程難しいことはありません。
今回は昨日去勢手術を終えた、ある犬の様子をちょと覗いてみましょう。
退院
去勢手術の入院は一泊。それ程長い時間ではありません。
しかし、まだ生後半年の犬にとっては、今回の去勢手術の入院が初めての外泊。
昨日の手術で体も疲れていますし、緊張で病院の朝ごはんも喉を通りませんでした。
しかし、退院の準備が始まると途端にソワソワとし始め、お気に入りの首輪をつけると大喜び。
顔を合わせた飼い主が心配になるほど、元気に飛び跳ねています。
首に着けたエリザベスカラーと手術の傷が少し痛々しいですが、活発な姿に飼い主もほっと一安心です。
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通常、翌日の退院時に強い痛みを訴える犬はほとんどいません。
入院中の食事を食べてくれない場合もありますが、大抵は環境の変化による警戒心からです。
自宅に帰ったら退院当日から食事はいつも通り行ってもらって構いません。
手術の傷は数センチの小さなものですが、犬が舐めたり、縫合糸を取ったりしないよう、エリザベスカラーを着けさせてもらう場合があります。
帰宅後3日間
退院時の元気な様子に安心した飼い主でしたが、自宅に帰ると何だかいつもと様子が違います。
ご飯はしっかり食べてくれたものの、遊びを催促することもなく、寝てばかりいます。
手術の疲れもあるのだろうと、心配ながら注意して様子をみていると、退院の翌日には入院前と同じように走り回ってくれるようになりました。
2日後には、安静にしているのが難しいほどです。
3日後には動物病院で傷のチェックと消毒も行い、順調に回復に向かってくれているようです。
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退院直後は興奮していても、やはり手術や入院で体力を使っています。
帰宅後は寝ている時間が増えたりすることもありますが、退院後数日で次第にいつもの様子に戻っていきます。
エリザベスカラーがストレスになり、活発に動けない場合もあります。
ただし、普段とあまりに様子が違い、ぐったりしているようなことがあれば、動物病院にご相談下さい。
退院後1週間まで
食欲も活発さも、完全にいつもの通り。
エリザベスカラーにもだいぶ慣れ、段々と生活に不自由を感じなくなりました。
天気の良い日はお散歩にも出かけられています。
いつもより短めのお散歩コースですが、排泄なども外で済ませることが出来ています。
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退院後は抱っこはいつも通り出来ますし、傷が汚れない足元の良い日であれば、外に出てもらっても構いません。
なのでお家の中での排泄が苦手な犬も心配はありません。
しかし、まだ激しい運動は控えるようにしましょう。
退院後1週間~10日
動物病院へ抜糸に訪れます。
抜糸は先生がパチパチと糸を切って、すぐに終えることが出来ました。
ようやく治療も終了かと思いましたが、自宅に帰ると傷をペロペロと気にしています。
念のためもう一日だけエリザベスカラーをつけておくことにしましょう。
シャンプーが出来ずに体が少し汚れてしまいましたが、今度の週末にはトリミングでスッキリします。
その後は家族で山へお出かけの予定です。
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抜糸は麻酔などは使用せずに行うことが出来ます。
抜糸直後は傷が痒くなり、気にする犬もいるため、もう1日くらいはエリザベスカラーをつけておいた方が良いかもしれません。
トリミングやシャンプーは抜糸後、3、4日以降を目安にしておきましょう。
同じ頃にはアウトドアへのお出かけも問題ありません。
近くの予定がある場合には、念のため獣医師に確認しておくと良いでしょう。
まとめ
もちろん全ての犬が同じようではありませんし、退院直後から全快の犬もいれば、ストレスでお腹を壊す犬もいます。
今回のお話はおよその平均だと思ってもらうと良いでしょう。
しかし、このように去勢手術後の犬の大半は、数日も経てば安静にするのが難しいくらいです。
手術後の犬との接し方は、怖い事ばかりではありません。
心配な点は獣医師と相談しながら、しっかり回復を見守ってあげて下さいね。