今からでも避妊手術した方が良いの? 若い時期を逃してからの避妊手術を考える。

避妊手術の最初のタイミングは6ヶ月齢を過ぎた頃。

この時期を過ぎると、「避妊手術をした方が良いんだろうな」と思いつつ、段々と年齢を重ねていってしまうことは少なくありません。

もし、避妊手術をしていないことに不安を抱いて過ごしているならば、是非避妊手術についてもう一度考えてみて下さい。

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麻酔のリスクは段々高くなる

健康な若い犬でも麻酔は100%安全なものではありません。

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また、人と同様に、循環機能や呼吸器機能などの体の機能は加齢とともに徐々に低下してきます。
小型犬であれば10歳以上、大型犬であれば8歳以上の「高齢犬」といわれる年齢では特にシビアに考える必要があります。

さすがに、この年齢までくると避妊手術を希望される飼い主はほとんどいませんが、それ以下の年齢でも、若齢期を過ぎて手術を考える場合は年々リスクは高まると思っていた方が良いでしょう。

できる限り若い年齢で手術を行うことと、術前の検査を十分に行うことで、麻酔のリスクは最小限に留めてあげましょう。

手術の難易度は変化する

手術自体の内容は年齢に関わらず、大きく変わるものではありません。
しかし、実際には、やはり年齢を重ねるにつれて困難になるケースが多いです。
これは、加齢により体の中が少しずつ変化することによるかもしれません。

例えば、年齢を重ねるにつれて脂肪の蓄積などがみられる場合、手術の障害になりますし、出血なども招きやすくなります。
また、高齢犬では、卵巣が過形成や腫瘍化を起こしていることも珍しくはありません。

私たち手術を行う立場としては、不測の事態も十分に覚悟して手術に臨まなくてはならないでしょう。

病気の予防効果には違いがでる

避妊手術のメリットとしてよくあげられるのは病気の予防。
中でも代表的な病気が子宮蓄膿症と乳腺腫瘍です。
年齢を重ねてからの避妊手術では、これらの予防効果に違いがでます。

まず、子宮蓄膿症については、手術を行う年齢に関わらず、子宮の摘出を行うことで100%の予防が出来ます。
一方、乳腺腫瘍については、発情を重ねるごとに発生率が高まるとされています。
そのため、2歳半を過ぎたメス犬に避妊手術を行っても、予防効果はないという説もあります。

つまり、年齢を重ねてからの避妊手術にも病気予防の効果はあるものの、得られる効果は少なくなってしまうかもしれないといえるかもしれません。

避妊以外のメリットがある場合

口の中や皮膚のできもの(腫瘍)の問題などを、麻酔をかけることで、一緒に解決する場合があります。

年齢を重ねた犬の避妊手術では、蓄積してきた歯石のクリーニングなどを同時に行うことは少なくありません。
また、気になっていた皮膚のできものの切除や検査を一緒に行う事もあります。

当然麻酔の時間は長くなりますが、麻酔をかける回数や費用的な面を考慮すれば、避妊手術を行う(麻酔をかける)メリットが増えることになるかもしれません。

まとめ

若い時期を逃したとしても、避妊手術が不可能な訳ではないですし、意味が無くなる訳でもありません。

しかし、手術や麻酔のリスクは高くなりますし、手術で得られるメリットも若い犬とは少し変わってきます。
手術のリスクとメリットを十分に考えて、どちらを選択するかは慎重に判断するのが良いでしょう。

個人的には、「なんとなく」時期を逃している飼い主も、出来るだけ3歳位までには手術を終えておくと不安も少ないと思われます。
また、交配を考えている場合でも、一般的に初産に適した年齢は5歳程度までと言われています。
このタイミングには、高齢期のことを考えて、避妊手術についてもう一度良く考えるべきでしょう。