オス猫に多い、去勢後の尿道閉塞。原因は去勢手術にあった?

オス猫には尿石症などの下部尿路疾患に伴う尿道閉塞が多く発生すると言われています。

実際、我々獣医師としてもその通りだと感じています。

下部尿路疾患に伴う尿道閉塞とその原因を今回皆さまにご説明したいと思います。

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尿道閉塞とは?

尿道閉塞とは、尿道がつまり尿が排泄できない状態のことをいいます。

発見が遅れると尿毒症を起こし、吐き気、元気消失、けいれん、昏睡など重度の状態に陥る危険性もあるため、尿道閉塞は緊急性を要する病態です。回復するまで入院も必要となります。治療が間に合わず、膀胱破裂を起こすこともあるため、そうなる前に開通処置をすることが大切です。

尿道閉塞がメス猫に少なくオス猫に多いのはなぜ?

この問題は解剖学的に考えると比較的簡単です。

メスの尿道はオスに比べると膀胱から尿道の出口までの距離が短く、尿道自体の直径も太いのです。反対に、オスは出口までの距離が長く、尿道自体の直径が先細りに細くなっているのです。例えば、水を撒くための細いホースに砂入りの泥水を通したら、詰まりやすいことは容易に想像がつきますよね?

尿石症などの尿路疾患は犬猫ともに時々見られます。また、性差はありません。オスは詰まりやすいだけでメスにも尿石症は潜在的にあり、症状として現れていない個体も多いのです。

尿石症は食事や体質などに起因していると言われ療法食によって対処することが治療の基本となっていますが、 尿石の種類によっては完全な原因究明ができていない場合もあるため、非常に難しい問題です。

去勢手術をするとオス猫の〇〇は小さくなる!?

では、去勢手術との関連性はどうでしょうか?

猫による体格差もあるため、はっきりと証明されてはいませんが、

去勢手術をするとオス猫の「性器」は若干小さくなるようです。これは男性ホルモンの影響が無くなるからだと考えられます。

ただ、去勢をしていないと、以前(下記参照)にもお話ししたように尿臭がきつくなり、尿はたくさん出るとしても匂いに耐えられなくなるでしょう。

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よって、尿道閉塞のリスクばかりに去勢手術をためらうことはないと思っています。

早期去勢手術は尿道閉塞の原因になる?ならない?

早期の去勢手術にはさまざま議論があることは確かです。

早期、とは2ヶ月齢位の月齢の猫を指しますが、6ヶ月齢以降の猫と比べて去勢手術による尿道閉塞のリスクは変わらないという論文も出ています。

よって、早期去勢手術は尿道閉塞の原因にはならないと考えられています。

まとめ

尿道閉塞は一旦起こると急性腎不全を引き起こし、緊急の開通処置が必要となる厄介な状態です。そうならないためにも去勢したオス猫さんのことは飼い主であるあなたが日々の健康状態をチェックしてあげることが大切なのです。