オス猫は、尿が出せなくなる病気(おしっこ詰まり)にかかる可能性がメスよりも高いこと、知ってましたか?
そして、このおしっこ詰まりのリスクが若齢時に去勢手術を行う事と関連があるのでは?、と言った話を聞くことがあります。
今回はこの話が本当なのか否か、お話ししたいと思います。
オス猫の尿道の構造とは
オス猫の尿道は雌猫に比べて細く長い管状の形をしています。
一概に何センチ長さが違うとは言えませんが、陰茎部分の長さだけメスよりも長いと言えます。
また、尿道の出口付近が最も狭く、膀胱に近くになるにつれて尿道の直径は太くなっていきます。
この細く長い形状が、膀胱炎や尿結石などの疾患にかかった時におしっこ詰まりを引き起こす可能性が高まるのです。
また、猫の種類に関係なく、尿道の形状や体と陰茎のサイズの比率は一定であると考えられています。
メインクーンやノルウェージャンなど大型の猫から、シンガプーラなどの小型の猫、そしてマンチカンやスコティッシュフォールドなど身体的な特徴がある猫であっても、陰茎の形状は同じです。
若齢時の去勢で発育が止まりやすいのか?
以前、2〜5ヶ月齢程度の若齢時での去勢手術によって、陰茎の成長が未発達となり尿道閉塞を引き起こすリスクが高まる、といった話が獣医療で議論された時期がありました。
しかし、その後数々の検証がなされ、若齢時の去勢手術と尿道閉塞との関連性は特にないことがわかるようになりました。
直接陰茎のサイズ比較をしているわけではありませんが、経験上若齢時の去勢手術によって見た目の陰茎サイズが小さいと感じたことは筆者も全くありません。
よって、尿道の発達の程度と尿道閉塞のリスクの程度は関係ないのです。
なぜ尿道閉塞が起こるのか?
尿道閉塞というのは、尿結石や、細菌性膀胱炎によって賛成された炎症細胞やタンパク質の塊などが尿道の大きさ以上になり、尿道内で詰まってしまう状態を言います。
尿結石は体質や食事内容によって析出されるため、水分の摂取や食事の管理が大切ですし、閉塞が起こるまではほとんど無症状のケースが多いため、かかりつけの病院で尿検査を定期的に受ける必要があると思います。
元気だから大丈夫、と思いがちですが、元気なうちに尿検査してあげることは本当に大切なことだと筆者は考えています。
まとめ
尿道閉塞の問題は、去勢手術とは関係ないことが現在確認されています。
去勢手術は6ヶ月を超えて若いうちに終えることが、より快適な猫ライフを送ることができると、筆者は思います。
排尿障害の問題は去勢とは関係なく、いつでも気をつけていなくてはなりません。
毎日しっかり排尿しているか、排尿の回数は常に一定か、色や匂いに異常を感じないか、生活するなかでしっかりチェックしてあげましょうね。