猫にとって、良くも悪くも去勢手術が与えるインパクトはものすごく大きなものだと思います。
特にオス犬と違って、オス猫の去勢前と去勢後の行動様式は大きく異なるため、術前と術後での様子は明らかに違うものとなります。
残念ながら、それを示すような科学的なデータはありませんが、動物病院のなかでよくお話しいただく、飼い主様の経験談をお話します。
少し主観的な意見も含まれますが、あるある話の一つとして読んでもらえればと思います。
大人しくなった
手術直後には大きな変化はありませんが、1か月から数か月たつと、目に見えて落ち着きが出てきます。
特に去勢前のオス猫は、「いつ寝ているの?」と思うくらい、1日通して活発に動いていますが、去勢後は「いつ起きているの?」と思うくらい、寝ている時間が増えてきます。
おそらく発情に絡んだ行動や情緒の変化がなくなったからだろうとは思いますが、猫によっては、少し心配になるくらい大人しくなってしまいます。
太りやすくなった
よく聞く話だとは思いますが、ある一定の割合で太りやすく成るオス猫はいます。去勢前の2倍、3倍と体重が増える場合もあります。
私が思うに、猫の肥満はほかの動物に比べると様々な健康のリスクをはらんできますので、去勢することのリスクといっても過言ではないかもしれません。
しかも、猫は犬に比べてダイエットが非常に難しい動物です。
ですので、去勢後はしっかりとした体重管理が必要です。
無論すべての去勢後のオス猫が肥満になるわけではありませんが、特に去勢後の最初の6か月は体重の変動にはよく気を配った方がいいと思います。
衛生的になった
排泄の問題や、特に臭いの問題は去勢後に劇的に改善します。
もともと猫はあまり臭いの少ない動物ではありますが、去勢をしていないと皮脂腺から出てくる独特な臭いや、尿臭がかなり飼い主様を悩ませます。
去勢後はこれらの問題はほぼなくなりますので、かなりの変化だと思ったほうがいいかもしれません。
ちなみに抜け毛の量や、口臭は変わりませんので、こちらのケアについては去勢後も引き続き頑張ってください。
オス猫の去勢後の変化は、基本的には飼い主様にとっては良い変化のほうが圧倒的に多いとは思います。
病気の予防という観点では、メス猫の避妊に比べるとその意味合いはあまりないかもしれませんが、一緒に生活する上では、去勢手術はしなくてはならいないものになるとは思います。
まとめ
おおよそ生後6か月が去勢の目安の時期になりますので、猫を飼い始めたら、よくご家族で相談されてはどうでしょうか?