愛犬の体型が小さくて心配な方へ【チワワ、トイプードルなどの超小型犬の避妊手術】

この十数年、日本で飼われている飼い犬は、多少の変動があっても小型犬がダントツです。

特にトイプードル、チワワは不動の人気を誇っており、常に上位にランクされています。

最近、こういった犬種はさらに小型化している傾向があり、成犬になっても体重が2㎏に届かない犬も多く見られるようになりました。

確かに超小型犬はとても愛らしく、日本の住宅事情にはぴったりなのですが、けがや病気になったときの治療の難しさは、他の犬種に比べても独特なものがあります

実際、ほとんどのメス犬が行うような避妊手術でも、体型が小さいということで、しり込みをされている飼い主様もいるのではないでしょうか?

今回は、できるだけそんな飼い主様の漠然とした心配事が少しでもやわらげられればと思い、あえて獣医師としてどこが心配なのか、客観的な意見をお伝えしたいと思います。

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麻酔の心配

医療的な見地から言って、体格の違いによって麻酔の代謝が違ってくることは理論的にありません。

特定の犬種によっては麻酔のリスクが高くなる犬種もありますが、特に小型犬だからというわけではありません。

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ただし、診察をしていると、まれにただ単に小さいのではなく、明らかに発育に問題がありそうな犬を見受けることがあります。

こういった犬は、見かけ上の食欲や元気があったとしても、肝臓などの麻酔を代謝する臓器や、脳に何らかの異常があることがあり、麻酔を導入した後に予期せぬ事態になる可能性があります。

超小型犬と発育不良の犬の見分けは、しばしば見分けをつけるのが困難な場合もあり、厄介な話、事前の検査でも明らかにならないこともあります。

犬の麻酔

このあたりは担当する獣医師の経験にもかかってくるのですが、十分注意していても起こりうることもありますので、しっかりと事前によく診察を受けることをお勧めします。

手術自体の心配

手術に関しては、慣れている先生が行えば、ほぼ問題ないと思ってください。

基本的にはどんなに小さくても手術の手技は変わりませんので、超小型犬だから手術が困難になることはまずないと思ってください。

ただし、肥満の場合はまた別の話になりますので、ご注意を。

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手術直後の心配

避妊手術で使用する麻酔は、吸入麻酔といって、ガス麻酔を使用する病院がほとんどです。

吸入麻酔の利点は、手術が終わり、麻酔の投与をやめると、注射や点滴の麻酔と異なり、速やかに覚醒をすることができることにあります。

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超小型犬だからといって麻酔の覚醒に関しては、他の犬と比べて問題になることはありません。

しかし体がとても小さく、大抵は皮下脂肪も少ない犬が多いので、気を付けていないと術後に体温が非常に下がりやすく、しっかりとした保温が必要です。

術後の低体温は、時には意識レベルの低下、血圧の低下などを招き、まれに非常に危険な状態を引き起こします。

そういった意味では、他の犬に比べ、よりしっかりとした術後の管理が必要だと言えます。

また、体型が小さく、絶食状態が続くのでたまに術後の低血糖を気にする方もいますが、成犬であればほぼ問題がないと思われます。

実際に、術後に低血糖を起こした経験はありません。

退院後の心配

退院後に食欲をなくしたりする犬もいますが、犬種というよりは犬の性格によりけりです。

超小型犬だから特に気を付けないといけないというものはありません。

退院後の経過はほぼほかの犬と変わらないでしょう。

退院後の心配

まとめ

結論から言えば、超小型犬の手術は基本的に神経を使いますが、だからといって特別リスクが高いとは思いません。

むしろ避妊で予防できるような疾患にかかった後のほうが色々厄介なので、積極的に避妊手術は検討していたほうがいいと思います。