暑い時は手術を避けるべき?夏に犬の避妊手術を考えている飼い主へ。

病院で意外と聞かれることが多いのが、この夏場の手術に関してです。

暑いと手術の傷が化膿しやすい?
体力が落ちるので手術を行ってはいけない?

果たして実際はどうなのでしょうか。

スポンサーリンク

夏場の手術は感染リスクがある?

結論からいうと、この事を理由に夏場に手術を避ける必要はないでしょう

手術は衛生面に非常に気を配りながら行います。
また、手術後の衛生環境はもちろん大切ですが、手術後は通常、抗生剤などでの感染予防を行います。
健康な動物の避妊手術の傷であれば、気温の心配はまず無用です。

実際に気温の高さが原因と思われる、「手術後の治りが悪い」「手術の傷が化膿する」などのトラブルに遭遇した事はありません。

しかし、気温の高い時期に気をつけなければならない点も確かにあります。

暑さに弱い犬種

暑い犬

特に暑さに弱い犬種として、シベリアンハスキーなどの北国生まれの大型犬、パグやフレンチブルドッグなどの短頭種が挙げられます。
加えて、体力が落ちてきている高齢犬や肥満犬にとっても高温多湿の環境は過ごしにくいことでしょう

このような犬たちにとって、手術後の痛みやストレス、傷を舐めない様にするエリザベスカラーの着用などは、熱中症のリスクを上げる事になるかもしれません。

手術を延期するデメリット

犬の初回発情(初めての発情)は生後6〜8ヶ月程度で多く見られます。
そのため、涼しくなるまで…と手術を伸ばしていると、発情が来てしまう可能性は十分に考えられます

犬の乳腺にできる腫瘍(乳腺腫瘍)については、初回発情前に避妊手術を行えば、発生率は0.5%以下といわれていますが、1回目の発情が終わった段階で、その発生率は8%まで上昇します。

http://tsukisima.sakura.ne.jp/makasetakunaru-kyoseitohinin.net/269

これらのことから、夏を避けて手術を延期することは、特に若い犬においてデメリットがあるかもしれません。

まとめ

現代で夏場の手術を避ける必要はあまりない様に思います。
手術を行う病院はもちろん、家に帰ってからも室温管理を行うことがほとんどでしょう。

例えば、「夏休みで家族がしっかり様子を見れる」という事であれば、むしろ安心なのかもしれません。

ただし、

すでに発情を重ねており手術を急ぐ必要がない場合
なかでも、短頭種などの暑さに弱い犬種の場合

これらの場合は暑い時期の避妊手術を避けるメリットは十分にあると思いますので、獣医師と手術のタイミングを相談してみると良いのではないでしょうか。