猫を去勢手術した後は、太ってきてしまう猫は多いものです。
手術をうけた猫の6~7割くらい太る印象があります。
まったく太らない猫がいたりすると、私たち獣医師は少しびっくりするほどです。
だからといって去勢手術をうけないわけにはいかないので、術後の食事管理が大切です。
基本的に与えているドライフードをダイエットフードにかえてあげることはもちろんのこと、あげているオヤツも変更を考えていかなければならないでしょう。
オヤツはダイエット用のもの、もしくはドライフードを数粒与える
市販のオヤツは多種多様で、何を選んだらいいか悩んでしまうと思います。
「美味しそうだから、たくさん入っているから、安いから」といった安易な理由で選んでしまうと後悔することもあるでしょう。
添加物や脂肪分が多かったり、高カロリーのリスクがあるかもしれません。
それらを避けるためにも、カロリーの低いのダイエット用を選びましょう。
それなら、少し与えてもカロリーオーバーにはならないので肥満防止になります。
もしダイエット用のオヤツを猫が好まない場合は、いつも食事として与えているドライフードをオヤツがわりに試してみて下さい。数粒のドライフードであれば、ローカロリーでダイエットに最適です。
ドライフードをオヤツとして与える場合は、一日に食べていいドライフードの量を計り、そのうちから数粒をオヤツ用に分けておいておいて、オヤツの際に与えましょう。計らないで際限なくドライフードをオヤツとして与えていると、ダイエットの意味がありません。
オヤツの変更は手術から1か月経ったころ
さて、手術前まで与えていたオヤツから変更していくのはいつがいいのか?
それは、少し様子をみてからがいいので、術後1か月経ったくらいが望ましいでしょう。
術後「すぐに」変更してしまうと、ストレスがかかったりしてしまいます。また、猫によって術後太らない仔もいるため、ダイエットが本当に必要なのか判断するためにも、1か月様子をみて、1か月で約500g以上体重が増えてくるようであれば、ダイエットを始めましょう。
まったく体重も体型も変わらない猫はそのままの食生活で問題ないでしょう。
そして、オヤツを変えていくときには、ゆっくりばれないように、じわじわ代えることがいいかもしれません。
急に代わると、驚いて受け入れてくれない仔もいますし、胃腸もびっくりしてお腹をこわす仔もいます、気をつけて下さいね。
オヤツはあげないのが一番いい
ここまで、オヤツについて話してきましたが、極論はオヤツはあげなくてもいいものです。
あげない方が一番手っ取り早いのです。
基本のドライフードなどの総合栄養食を食べれていれば、しっかりと栄養がとれますし。
ただ、猫がどうしても食べ物を求めてくる様子、人間も可愛がりたいから食べ物をあげたい気持ちがあり、オヤツをあげる行動が生まれます。
あげたくなる気持ちはとってもわかるのですが、そもそも最初の段階でオヤツの存在を知らなければ、猫本人は「オヤツがない寂しさ」を感じません。
私個人のおすすめとしては、猫を飼い始めた最初の段階から、人間がオヤツをあげたいという気持ちを我慢することです。それが、オヤツを知らずに過ごし、「ドライフードが食べれて幸せ」と思う猫を育てるでしょう。
まとめ
現代の猫は肥満は大きな問題です。人間と同じでその後の健康に大きく関わってきます。
猫の健康な人生のためにも、オヤツの与え方について考え直してみて下さい。
あげるなら、できるだけ小さくちぎってあげて、回数を多くしてあげると満足感がみたされるのでオススメです。