去勢避妊の手術はどのように行われているのか、気になりますよね?
どの動物病院のホームページにも公開されていない、言わばブラックボックスでしょうか。手術室でワンちゃん・猫ちゃんがどのような去勢避妊手術を受けているのか、包み隠さず動画でご紹介します。
血を見るのが苦手…という方は見るのを避けたほうが宜しいかもしれません。しかし、大まかな手術の流れや様子を知っておくだけでも、去勢・避妊の安心感に繋がると思います。
※音声は含まれておりません
オス犬の去勢
オス犬の去勢は、陰嚢と陰茎のちょうど真ん中ぐらいの皮膚を切開し、睾丸を2つ取り出し摘出します。一番出血が少ない場所だからです。
睾丸は総漿膜という厚い膜に覆われているので、切開を入れてブドウの皮をむくように、睾丸を摘出します。
睾丸から出る血管と、精管を結んで切除します。いわゆるパイプカットではありません。
2つ睾丸を摘出したら、皮膚を縫合して終了です。
メス犬の避妊
メス犬の避妊は、まず臍から下側に1.5cm程度切開します。切開する場所は執刀する獣医師によって少し違いますが、小型犬であれば臍下3cmというのが、合言葉のようになっています。
皮膚の下にある腹筋も切開を入れ、スペイフックと呼ばれる細い鈎で子宮を釣りだしてきます。
これがあれば、小さい術創から出も子宮と卵巣を同時に摘出することが可能です。
子宮を釣りだしたら、まず卵巣側の靭帯と動脈をしばり切除します。卵巣は左右2つあるので、同様な処置を2回行います。
犬の子宮と卵巣は脂肪に覆われているので、十分出血に注意しながら進めないといけません。子宮についている膜を剥離しながら、子宮の根元を露出させ、血管ごと子宮を縛り、切除します。
子宮と卵巣を摘出後は、腹筋と皮膚を縫合して終了です。
オス猫の去勢
オス猫の去勢は、陰嚢に切開をいれて睾丸を摘出します。オス犬と同様に、睾丸は総漿膜に覆われているので、切開を入れて睾丸を露出させます。
そのあと、睾丸から出る血管と、精管を結んで切除します。オス犬と違い、切開をした場所は縫合しません。
縫合はしなくてもすぐに癒合するからです。
メス猫の避妊
メス猫の避妊は、臍と陰部のやや中央より臍側に1.0cm程度の切開をいれて、子宮と卵巣を摘出します。
犬と同様に、腹筋を切開した後、スペイフックにて子宮を釣りだしてきます。
基本的にお腹の中は見えないぐらいの術創で行うので、盲目的に子宮を探り当てます。この時に他の臓器に傷をつけないように、細心の注意を払って探索します。
卵巣は犬と同様、左右2個あるので、卵巣とつながっている動脈とじん帯を結んで切除した後、子宮の根元を露出させ切除します。
子宮と卵巣を摘出したあとに、腹筋と皮膚を縫合するのですが、犬と違って猫は病院に連れてくるのが困難な場合もあるので、抜糸をしなくてもいいように、かつ糸を気にして舐めないように、皮膚の下に糸を埋没させて縫合します。